ハイこんにちは。本職はITエンジニア向けウェブメディア編集者のid:kondoyukoです。
インターネットに文章を書くのが好きだった(かつ幸いにしてまわりから面白いと言ってもらえた)から今の業界に入ったはずなのに、いま全然文章が書けていません。編集者ってね、自分で書かなくてもいいんですよ。私の仕事だと、エンジニアさんに寄稿してもらうとか、インタビューでは自分で企画と質問だけしてライターさんに書いてもらうとか、近年だとイベント企画まで、自分で書くだけでなくあらゆる手段を使ってコンテンツを届ける面白みがあるんですが、そういうことやってるとホント記事を書くのが億劫になってしまう。それがとても辛いんです。そして(たぶん一番私の本領を発揮する)この日常ブログでさえあんまり更新できてない始末。
そんななか最近思うのは、エンジニアさんのアウトプット力超すごい。毎度規模が拡大する技術書典の勢いヤバすぎ。そして、IT系の勉強会やカンファレンスとかに行くじゃないですか。主催の方は「ブログ書いてー!」って言うんですが、実際にTwitterとかで反応見ると「あのカンファレンスとあの勉強会のブログ書いてない~~~書くぞ!」みたいなやる気に満ち溢れた投稿があるんです。眩しすぎる。
今回は、そんな私が、自分自身が欲しくてたまらない、「これをきっかけに自分を変えたい!」と思って主催した勉強会の話をしたいと思います。
それぞれのセッションの中身については、それぞれのセッションの登壇資料や、登壇者の一人であるしんやさんにブログ書いてもらいましたのでそっちをぜひ読んでください!
当日のTweetはこちら
Tech Pub vol.6「書き続ける技術」(勉強会・カンファレンスレポート編) #techpub - Togetter
どんな勉強会を開催したの?
今回は、私が主催している「Tech Pub」という勉強会の中のひとつとして開催しました。テーマは「書き続ける技術」(カンファレンス、勉強会レポート編)。
Tech Pubとは2017年3月から不定期でやっている勉強会で、「ITエンジニアにコンテンツを発信したい人」を対象にそのノウハウをシェアする場所です。
参加対象は主に以下の3パターン。
- 編集者・ライター
- 広報・マーケティング
- ITエンジニア自身
それぞれ力点を変えつつも、割とどの属性の人が来ても楽しめるような企画を目指しています(ちなみに私の仕事的にも上記はみんなつながりたい方達です)。
最初は頑張って月1でやってたんですが、本業が忙しくなってブランクが空いてしまったものの、今回ピコーンとコンセプトから登壇者候補まで閃いて、その旨をFacebookに書き、多くの方に背中を押してもらい実行に移すことにしました。「やるぞ!」と表明しないと動き出せない私。。。
今回の登壇者さん
勉強会・カンファレンスレポートを「書き続ける」というテーマを考えた時に、めちゃめちゃアウトプットされている以下の3人のことがパッと頭に浮かびました。
・「編集者・ライター」の視点では馬場美由紀さん
・「広報・マーケティング」の視点ではLINEの櫛井優介さん
・「エンジニア」の視点ではクラスメソッドのしんやさん
(3人ともお仕事その他で大変お世話になっている方です…!)今回の登壇のご相談をしたところ、みなさん快く引き受けてくださいました! 本当にありがとうございます!!!
勉強会の当日
最初に私から、Tech Pubの趣旨説明の話、今回のテーマの話を。毎回来場者のみなさんに手をあげてもらってアンケートを取ってますが、エンジニアの方が少し多いかなという感じで割とバランスよかったです。初めての方が多くて(前も来たことあるよーという方は数人くらい)、特に「connpassで見て面白そうだからきました」という方が多かったです。
櫛井優介さん「社内に情報発信する文化を根付かせ 定期的に更新可能な体制にする方法 」
LINEのCulture Evangelistである櫛井さんには、技術広報の視点で会社ブログを活性化させるお話をしていただきました。「個人ブログと会社ブログの話どっちがいい?」と聞かれて、個人ブログの「さらりと参加してきた」シリーズなどの話も聞きたいし捨てがたいけど……ここは「会社ブログで!」とお願いしました。
企業がブログを書くことのメリット、ブログを書く文化を根付かせるには、実際に執筆する方(エンジニア)のやる気スイッチの押し方、といったアジェンダで、企業から個人まで幅広い視点をお話いただきました。
企業ブログは情報発信としてコスパがいいけど、継続するコストが高い……それをどうやって仕組み化しているか? ブログ専任の担当者をつけ、下書き段階で見せてもらう、締切を設定する、面倒な調整を引き受ける……これって編集者のやってる仕事だ!と思ったのでした。ブログ担当者と書き手だけでやり取りしてるとなあなあになってしまいがちなので(ありがちだ……)、第3者も巻き込んで見える化するというのも知見でした。
質疑応答も活発で、KPIはなにか?という質問には、PVにすると炎上に走ってしまう可能性があるので、次に繋がること(登壇の依頼がくるなど)をKPIにおいているんだという回答をいただきました。
※編集者やそのように立ち回ってる人達に向けて、スピンオフ的に「書かせ続ける技術」ってのも面白いかもなぁ。
馬場美由紀さん「イベントレポートを書き続ける技術」
いろんな勉強会でお目にかかり、レポートを書いている馬場美由紀さん。実は登壇は初めてだったそうですが全くそんなことは感じられない堂々とした発表と完成度の高い資料でした!
いままで4000本もエンジニア向けの記事を手がけられてきた馬場さん。惜しまれながら終了してしまったものの、いろんなイベントのレポートやインタビューが掲載され、愛されていた「CodeIQ MAGAZINE」も、実ははてなブログから始まったのだそう。最初の馬場さんのミッションは、CodeIQを広めるために、月に8回技術勉強会に参加してLTをすることだったそうだが、その勉強会レポートをはてなブログに掲載し、それがバズったり色々なレポートのオファーをいただいたりしてメディア化されたのだそうです。
馬場さんのセッションは、メディアを運営し、多種多様な勉強会、さまざまなパターンのレポートを書かれているならではの知見が語られました! Tweetでそのエッセンスを紹介します。
何のためにイベントレポートを書くのか。
— Daisuke Nishino☕️CodeZine連載中 (@nishino_chekhov) November 1, 2018
確かにこれはもっと記事ごとに煮詰めるべきところかもしれない。#techpub pic.twitter.com/00W8EhzeRN
PVが出るイベントレポート!
— kondoyuko (@kondoyuko) November 1, 2018
#techpub pic.twitter.com/hORX6WALs3
あらゆる文章は、直感的なわかりやすさが大事ですよね。わたしもそれを信念にしています。#techpub pic.twitter.com/7AWKeQlzpw
— Daisuke Nishino☕️CodeZine連載中 (@nishino_chekhov) November 1, 2018
オススメのカメラ情報(ソニーα7S)まで教えていただき、質問も盛り上がりました!(明るく撮れるやっぱりソニーらしい:最近カメラ購入を検討してるので参考になりました…!)
しんやさん「 勉強会・カンファレンスレポートを累計400本近く書いたので経緯とか要点をまとめてみた」
とにかくアウトプット量がものすごく、Developers.IOのほか、私が本業で担当しているCodeZineにもレポートを書いてくださっているしんやさん。しんやさんがCodeZineに書いてくださってるレポートは、ですます調なんだけどこなれていて、エンジニアさんからの発信らしさもあっていい記事だなあと思ってます。
しんやさんのセッションでは、自分のレポート執筆に関する今までの変遷と、レポートを書くことのメリット、そして書き続けるためのコツをお話いただきました。「レポートは次の勉強会に参加するまでに書き上げよう」だったり、とにかく書きながら、書き続けるスタイルを試行錯誤しようといったメッセージをお話いただきました。
今回を機に今までの執筆活動の総まとめをしてくださったようで、約50枚のスライドに、そこには含められなかったものをブログにもしてくださいました。ブログもほんと具体的なノウハウの宝庫でめっちゃ読んでほしい!
勉強会レポートを書くことのデメリットをあえてあげるとすると「しんやさんが書いてるからもういいや」って周りが思っちゃいがちなことがあるとのことでした。主催はいろんな人の意見を求めてるからぜひ気にせず書いてほしい!と呼びかけていたものの、たしかに、しんやさんの #techpub 参加レポートが上がったのをみて確かにちょっと「おおっ、これで十分なんじゃないか…」という気持ちが興った…でもその気持ちを必死で振りほどき、とにかく書こうと、これを書かなかったら自分は変われないんだ!という気持ちでいま書いています。Tipsとしては、先にしんやさんのブログ読んじゃうと「あーこれ以上いいの書けないなー」と思っちゃうので、自分が書いた後の楽しみにとっておくとかでしょうか。。。
3人の発表を聞いて
それぞれの発表ではいくつか共通事項もあり、アウトプットし続けている方だからこその知見がそこにあるなぁと思いました。
- 記事を公開する時間は11時 or 17時(昼休みに読んでほしいか終業後に読んでほしいかによって変える)
- 時には動画でセッションを押さえる(私はここまでやれてなかったなーと)
- やっぱり地道に書き続けるしかない
質問やフィードバックもめちゃめちゃ活発で、みんな書きたいけど書き続けるにはどうしたらいいか、人に書いてもらうにはどうしたらいいかに悩んでるんだなぁと実感しました。
LT
LTは勉強会・カンファレンスレポートに限らず「書き続ける技術」というテーマなら何でもOKとしました。飛び入り含めて4人の方にお話いただきました。
uchanさん「段階的に進展するプログラムについての解説書の執筆を Git で支援する」
技術同人誌や商業出版で執筆経験のあるuchanさん。開催前から「楽しみだな~」と投稿してくださっていて嬉しかったのでした!
『30日でできる!OS自作入門』のような段階的に進展するプログラムを1日ずつ説明するような技術書の執筆を支援するプログラム「git-extract-tags」の紹介をしていただきました。当日はトラブルがありうまく行かなかったデモを動画にしてくださいました!
それにしても動画デモってなかなかいいですね。分からなければ止めて見返せるし、解説つけていただいているし(イベントだと目が悪くてデモ何やってるか見えない人)。
もふもふさん「頑張らずに書き続けるための技術」
技術書典やブログなどで執筆しているもふもふさん。
書き続けるために、周りの評価を気にするのでなく、自分の中の喜びを大切にすることをお話いただきました。
たとえば「イベントの開会、閉会の拍手に参加する」こと。これは自分が締切を守ったから享受できる喜びなんだと。私もついつい承認欲求ドリブンで動いちゃうけど、なんだかじんときて、自分の心の動きを大切にしようって思いました。
大泉さん「いきなり会社の公式ブログでデビューして1年、技術書典に出るまで」
色々な現場でお会いする大泉さん。この1年、ゼロベースからたくさん執筆する機会を得たそうで、総まとめなLTをしてくださいました。
大泉さんは、自社のオウンドメディア「STORES」の編集長やFacebook中の人をやりつつ、アドベントカレンダーで異なるテーマで5日連続完走(大変だったらしい…自分を追い込むのも一定重要)、その大変さを書き綴りたくはじめた個人ブログ、そして技術書典で出す本の執筆など……そのアクティブさに負けない多様なアウトプットでした!
久保さん「書くことは爆発だ! だから燃料(ダイナマイト)が必要だ!」
マカフィーの久保さん。仕事なども絡めつつ「こんな執筆したよー」「こんな発表したよー」ということをお話いただきました。イベントでの発表が執筆に結びついているとのこと、登壇と執筆をセットでするのはよさそうですね。反響の大きかった記事だそうです↓
運営など
この勉強会は、私とサイボウズ風穴さんの2人での運営しています。当日はサイボウズの方(今回はuchanさん)にお手伝いいただいて、お片づけは参加者のみなさんに手伝っていただき本当にありがたい限りです><
会場まわりを中心に風穴さんにサポートいただきつつ、登壇者アサイン、告知、ケータリング手配、受付、司会などを一人でやっているのですが、ギリギリなんとか回るかなといった感じです。スタッフ増やしたい気もするし、少人数の方が気楽やなとも思うし、悩ましい。
ケータリングは、今回は、私の会社の近くにもお店があるお弁当屋さんの京香にしました。楽天デリバリーから頼むとポイントもつくし、クレカ払いできるからあとは受け取りだけしてもらえばいいし、よかったです。写真撮り忘れたけど唐揚げがうまいんですわーここは。
酒は毎回カクヤスで頼んでいて、私の頼むポイントは以下の通り。
- 新商品を入れる
- 少量多品種
- ソフトドリンク多目(スピーカーの方向けにステージドリンクとして、黒烏龍茶、トマトジュースなど健康そうなものも)
それで実際に頼んだのはこんなラインナップです!
- サントリー ザ・プレミアムモルツ 5缶
- サントリー角ハイボール 5缶
- 氷結シャルドネスパークリング 3缶
- よなよなエール 5本
- キリン 本搾り グレープフルーツ 3缶
- キリン 本搾り レモン 3 缶
- サッポロ ヱビス 華みやび 3缶
- サントリー 緑茶 伊右衛門 5本
- ウィルキンソン ジンジャーエール 3 本
- デルモンテ トマトジュース 3缶
- サントリー黒烏龍茶(特保) 3本
- 不二家 カントリーマアム バニラ&ココア 20枚 1袋 ※間違えて買ってしまった……
今回は人数に対する飲み物の数を吟味しておらず、アルコールが少し(8缶くらい)余ってしまった…ソフトドリンクは全てはけました! よなよなエールの写真アップしてる人がいたので、チョイスしてよかったなあと思います。食べ物はちょうどよかった気がするけど、飾りで葉っぱが入ってて、その処理が少し大変だったかな…できれば綺麗に片付くケータリングにしたきった。葉っぱいらないって言えば抜いてもらえるかしら。
収支でいうと若干赤字でしたが、今までのプール金を使いたかったので問題なしです。会計、みんなどうしてるんでしょう?
さいごに
改めて、ご登壇者のみなさん、来場者のみなさん、サイボウズ風穴さん、インターネットで応援してくださったみなさん、ありがとうございましたー!
今回の発表で思うのは、書き続けるにはやっぱり書き続けないといけない…その中でも仕組み化する、周りを巻き込む、テンプレ化する、自分ルールを作る、支援する技術をつくる、内なる楽しみを見出すなど……苦しんだ経験のある人ならではの知見が語られました。
本報告ブログも、勉強会開催からすっかり間が空いてしまったのですが、特に今回のレポートはOutput or Dieの気持ちで書きました…これを機に自分を変えたい。
Tech Pubとしては、年明けに「アドベントカレンダーふりかえりLT大会」やろっかなーって思ってるんだけどどうだろうか。無理せずマイペースでやっていきたいと思います!