ちょっと遅くなってしまったがゴールデンウィークの旅行について書く。
素敵げな建物と綺麗な夜景があるイメージのある函館にずっと行ってみたいと思っていた。北海道というと飛行機で行くイメージがあるが、高速バスとフェリーを乗り継いでいくことも可能だ。青森を経由する。
高速バスとフェリーで行く 東京・函館きっぷ|津軽海峡フェリー株式会社
今回は、弘前の桜まつりや青森県立美術館美術館にも寄りたかったので、高速バスとフェリーのセットプランではなく、カスタマイズして工程を組んだ。
交通手段
下記の交通手段を手配した。
高速バスは10〜12時間走行するので、しっかりと寝る準備をしたほうがいい。私は着圧ソックスとアイマスク、エア枕を用意した。
青森と函館を結ぶフェリーは津軽海峡フェリーと青函フェリーの2種類あり、津軽海峡フェリーが繁忙期で片道3000円くらいのところ、青函フェリーは公式サイトにある20%オフなどを適用すると1500円ほど(ちなみに電車だと特急しか使えないので、片道5000円くらい)。今回は安さを優先したかったので、青函フェリーにした。だいたい4時間くらいの船の旅。
ちなみに、津軽海峡フェリーが旅客メインのところ、青函フェリーは元々は貨物メインだったらしく、設備は、ごろ寝できるスペースとちょっとした椅子、自販機もソフトドリンクとカップヌードルのみと、シンプルなもの。
フェリーは安いけれども、フェリー乗り場と主要駅とのアクセスが悪く、結局30分くらい歩いて移動することとなった。ちゃんと探せばいいバスがあったのかもしれない。
津軽海峡フェリーは通常期にはそんなに高くないのと、津軽海峡フェリー乗客専用の定額タクシーもあるようなので、場合によっては津軽海峡フェリーの方がいいかも。船の中もきっと楽しい設備があるはず。
青森
桜まつり
弘前の桜がすごいということで桜をみに行くことにした。しかし、今年は桜が例年より早く、もうかなり散ってしまっているらしかった。このままでは桜の残骸を見るだけになってしまうのではと思いきや、弘前出身の同居人さんから弘前の事前情報を知ることができ、俄然楽しみになった。
やっぱり桜は咲いてなかった。
なけなしの桜はあった。
桜よりたんぽぽの方が見て楽しかったかも。東京あんまり咲いてないし。
桜まつりでは、昭和時代からそのままの看板の出店を出している。
オサレなカフェなどもこの看板のテイストなので、あえてこのレトロなテイストを守って制作しているのだろう。
こう見ると、江戸時代の町並み見たい。
オートバイサーカスやお化け屋敷などの遊技場がある(残念ながら見世物小屋はなかった)。
オートバイサーカスは、巨大な樽状の空間の、側面をバイクで走りながら曲芸をするのを上から見るんだけど、客が持っているおひねりを受け取る芸など、見ててかなりヒヤヒヤする。これは凄いぞと思った出し物だった。
お化け屋敷は、妖怪ウォッチの曲や、キャラクターで気を引いてるにも関わらず、入ってみると妖怪ウォッチ要素はゼロ。しかし、歩いてると長いポンポンのようなフサフサが降りてきたり、白装束を着たゴリラが脅かしにくるなど、如何にも人力なお化け屋敷だった。
レトロな看板の、三忠食堂でお昼ご飯。ラーメンとビールをいただいた。
そこらで売ってるりんごアイスもとても美味しい。
ほか、アップルパイをいただいたり、出来たばっかりのおされなスタバを鑑賞するなどした(中には入ってない)。
青森県立美術館
奈良美智のあおもり犬や、青木淳さんの建築でおなじみの青森県立美術館に行った。
これは、前回青森旅行に行った際に行けなかったものをリベンジ。前回は、十和田市現代美術館と、巨大な混浴風呂がある酸ヶ湯温泉、青森県立美術館を、1泊2日、全て公共交通機関で回るという素晴らしい計画を立てたものの、青森県立美術館については急に臨時休館となった(当日イベントなども予定されていたのに!)ということで、いつか行きたいと思っていた。
青森県立美術館は、企画展として、ウルトラマンの怪獣デザイナーの成田亨さんの展示があった。特に感銘を受けたのがウルトラマンの怪獣デザインにおける制約で、うろ覚えだけど「3つ首など、生物としておかしいデザインにしない」「既存の動物と似たようなものにしない」「内臓が飛び出てたりするようなグロテスクな表現にしない」といった、子供が安心して見られるような制約の下、独創的な怪獣を作り出している点だった。
常設展が特に素晴らしかった。超巨大なシャガールのタペストリーはずっと見てられるし(舞台の背景なようで、それでデカイのか)、奈良美智の展示は、小屋のようなものを歩き回って鑑賞するようで、とても楽しい(韓国での展示を移築したもののようだ)
さらに今回は、成田亨にちなんで、ジャンルを越えて作品を展開する、青森にゆかりのある作家をとりあげている。地方の美術館の常設というと、くらーい油絵のイメージがあって面白くないイメージなんだけど、絵本『11ぴきのねこ』の馬場のぼるや、寺山修司(映画も作ってるなんて知らなかった、恥)、タイガー立石(恥ずかしながら初めて知った。立石バーガーはここから来てるのかな)など。
寺山修司の映画のパンフの煽り文句を見て、こういう表現を見て自分の中に貯めておくと、いざという時に仕事でも役に立つかもしれないと思った(記事のタイトルをつける時とかに)。Wikipediaのように高度に編集されたあらすじばかりを読むもんじゃないなと思うなど。
あおもり犬。綾波レイみたい。
Oさんと会う
さて、急遽、同行者のインターネット上の友人であるOさんと会うことに(Oはハンドルネームのイニシャル)。
なんというか、勝手に激しい人を想像していたのだけど、なんともかわいらしい、津軽弁のほっこりする女性だった。私達も同様に、話しにくい人だったらどうしようと思われていたらしい。
青森のりんご栽培の話や、青森の郷土料理、アートの話、どこで遊ぶかとか、車社会なので電車にはめったに乗らないことを聞いた。3軒行ったが、特に2軒目、いわゆるバーのようなところでガーリックなそら豆を出してもらったにも関わらず、チャージのようなものを取られず驚いてしまった(お酒も500円程度、キャッシュオン)。これがゴールデン街なら500〜1000円取られるぜ。
泊まる予定の健康ランドが新青森にあるのと、Oさんの車も新青森に停めているので(新青森で待ち合わせた)、青森→新青森の終電で一緒に帰った。Oさんは「3〜4年ぶりくらいに切符買いました!」と感慨深そうにしていた。
後日、遊んだことを簡易な漫画にして投稿してくださって、それがめっちゃ面白かったので保存して何回も読んだ。
宿泊
この日の夜は健康ランドに泊まった。
GWとねぶたの時期は特別料金らしく、一夜を過ごすのに2700円くらい。ロビーのソファとかに人がゴロゴロしてて、眠れるか不安だったけど、思ったよりはマシで、仮眠ルームに場所を確保することができた。
温泉は食塩泉で、アトピー肌にとてもとても合っていた。入るだけでかなり軽快し、東京に戻ってから、塩石鹸やバスソルトなどを購入したぐらいだ。
朝6時に起きて、6時半には健康ランドを出発。下記は道すがら見つけた鯉のぼり。そういえばこどもの日だったね。
30分ほど、とぼとぼと歩いてターミナルについて、フェリーに乗っていざ函館へ。
函館
さて函館についた。寒い。とりあえず、歩いて30分ほどかかる五稜郭駅に向かう。五稜郭駅は決して五稜郭のすぐ近くなわけではないのだ。
五稜郭〜函館の電車。かわいい。
市電
函館観光は市電が便利。一回につき210〜円くらいの運賃がかかるけど、1日乗車券は600円で乗り放題。なにより、運賃の計算をしなくていいのが楽ちん。マップなどもついている。
ラッキーピエロ
会社の上司に「函館行くんですよー」といったらラッキーピエロというハンバーガー屋さんを勧められたので行ってきた。
↑は函館駅のすぐ近くだったが、商品提供まで1時間待ちだったので諦めた。我々は取り急ぎ五稜郭に向かったが、市電駅の五稜郭公園前で降りて、五稜郭と反対方向にあるラッキーピエロに行った。そこは地元の方しか来ていないようだったので、作戦成功。
「人気ナンバーワンセット」というのを頼んだ。
ハンバーガーがすごくでかいのな。体感的にモスバーガーの2倍くらい? もっとある?
とても美味しかったけど、普段あんまり食べない人や、女性だとセットを食べきるのはちとキツイかも。バーガー単品+ドリンクでちょうど良かった。チーズバーガーも食べてみたかった。
五稜郭
五稜郭タワーにのぼった。
タワーでは五稜郭の歴史についての展示があった。ジオラマや4コマ漫画でわかりやすい。
そして星形の五稜郭公園。函館も桜はすでに散っちゃったみたい。
五稜郭公園から見たタワー。
元町
教会などをIngressのミッションをこなしながら巡った。
以下は旧函館区公会堂。
函館山の夜景
函館に来たからには夜景を見ておきたい。しかしロープウェー乗り場には長蛇の列ができていた(1時間待ちとかなんとか)。宿のチェックインの時間の都合もあるため、ロープウェーを待つことは現実的ではない。そこでタクシーで行くことにした。
タクシーは意外とスイスイ。片道1500円くらい。ロープウェー料金が往復1200円なので、2人で乗ればそれほど変わらない。しかも相乗りすれば更に料金は下る。頂上ではタクシーは待ってくれないので、電話して呼び出す形。
さて夜景である。
こりゃすごいなということで、人も多かったけど大変キレイに見えた。あとで聞くと、ガスが多い日にはクリアに見えないそう。少し曇り気味だったけど、ラッキーな方だったみたい。
帰りのタクシーの運転手さんに、イカ釣りについて聞きながら山を降りた。
宿
宿は「函館ペリーハウス」という、市電の大町駅にほど近いゲストハウスに泊まった。
ゴールデンウィークは日本人が多かったとのことだが、普段は外国人観光客で賑わっているとのこと。もともと学生寮だったのをゲストハウスにしていて、すこしずつ改装しながらやっていっているそう。
寿司屋
ゲストハウスのお姉さんに教えてもらって、近くの弁天寿しにいった。
これがまあ、陽気な大将とお客さんで、大変楽しい時間を過ごした。上寿司が1200円とお手頃で「東京からきました!」と言うと、アワビや赤貝などを特別にサービスしてくれて、地元のお客さんが「えぇっ!上でアワビつくなんてめったにないよ〜」と言っていた。
仕入れによって変わるらしく、今回食べた上寿司は、下記のラインナップだった。
- いか・サーモン
- あわび・つぶ貝
- 赤貝
- いくら
- 河童巻き+赤いのが入った細巻き(計4本)
寿司を堪能したあと、近くの地元の方が楽しむバーに潜入。種々のお菓子を出してくれたにも関わらず、ここもチャージが要らなかった。北日本は飲み屋が安いのか・・・!
この日は3万歩も歩いた。20km。とてもつかれた。
谷地頭温泉
朝、チェックアウトして、谷地頭温泉に向かう。
大変泉質のいい温泉だった(ここも食塩泉。アトピー肌にありがてぇ)。中の広いお風呂と、五稜郭型の露天風呂。
温泉の建物の写真を撮りそびれたので、温泉を掘っていたらでてきたという男根の写真でも載せておく。
函館公園
Ingressのミッションがあるのと、子ども向け遊園地があるので函館公園に。
屋台が出ててお祭り風情で、ここは天国か! と思うなど。
子ども向けの遊園地。日本最古の現役の観覧車に乗った。1回300円で遊べるよ。
お昼にはすこし移動して、Tachikawa Cafeという重要文化財の太刀川家住宅を活用したカフェでジビエを戴く。
TACHIKAWA CAFE Restaurant Maison|太刀川カフェ
鹿の網焼きランチを頂きました。
函館駅に戻り、やっぱり食べておきたかったソフトクリームを食べ、おみやげを買って、フェリー乗り場へGoGo。やっぱり五稜郭駅から30分歩いて(だいぶヘトヘト)、無事フェリーに乗り込むことができた。
再度Oさんと会う
青森駅で時間があったため、再度Oさんと会うことになった。青森港で待ち合わせて、車に載せてもらう。青森駅近くの郷土料理のお店にいった。津軽三味線の生演奏が聞ける。
時間が短かったけれど、会話と料理を楽しんだ。私はというと、だいぶ疲労で、Oさんに「顔色悪いですよ」と言われた。夜行バスで帰って即出社なので、疲労回復になるもの、例えばレモンサワー(クエン酸)や揚げにんにくなどをいただいた。うまい。
Oさんにりんごチップスをいただいた(会社でちょっとだけ食べようとおもったら美味しすぎてすぐに食べきってしまった・・・)
10時間以上高速バスで寝ていたら、すっかり元気になった。クエン酸&にんにくパワーか。そういやユンケルも飲んだ。風邪ひきそうだったけどなんとか食い止められてうれしい。
飛行機に乗らずに行ったので、なんだか北海道に来た気がせず、不思議な感覚だった。函館は長崎みたいに、まる1日観光してちょうどよいぐらいの観光地で、よかったな。青森も、かなりいいもの見れた感と、Oさんにもあえて楽しかった。
次、北の方に行くときは、日本海側を旅してみたい。未踏なもので。